謝らない日本人!
昨日のことである。
学校帰りにスーパーで食料品を買い込んで、バス停に行ったら、既にバスが来ていたので走り込んで乗ったら、買物袋が当たって鈍い音がした。
みるみるうちに床下に赤い液体が流れていく。私の冷や汗もたらーり。赤ワインのボトルを割ってしまったのだ。
バス前方はワインの海と化した。運転手さんはちらっと見てその後しらんふり。私は急いで鞄を探してティッシュで拭いたが追いつかず。
誰も手伝ってくれないし、後ろで「ピュタン」(日本語ではない位、すごく悪い言葉です)とつぶやく女性の声まで聞こえて来て焦る気持ちは増していく。
それどころか横のおっさんが「ワインもって出ろよ!」と言って来たので、すっかり頭に血が登ってしまった。
「拭いてるんですよ!待って下さいよ!」
おっさんの目を見て言い返す。日本にいた時はこういう時、ごめんなさい!とコメツキバッタのごとく謝ったであろうが、ここはフランス、謝る事は負けを認めるというのがこの5年で身に染みたんだろう。友人の家の近くで咲いていた野生のすずらん。
這いつくばって床を拭いていた私を見て、おっさんは何も言わなくなった。 フランスでは這いつくばるというのは、すごく珍しいというか、人に見せるような事ではないから、びっくりしたんだろうな。 とにかく持っていた鞄の中にティッシュがすごく入っていたから、床のワインはほぼ拭き取れて安心して下車した。 森をさんぽした時に見つけた可愛い花。
謝らなかった!でもやることはやった!フランス人だと絶対そのままだっただろう・・・と自分を褒めてあげたい気持ちで家に帰ったのだが、やはり少し罪悪感にかられた気持ちも芽生え始めて来るのは否めなかった。もしかしてあのおっさんはイスラム教徒だったかもしれない(お酒禁止、かつ今は断食期間中。) 帰ったらホッとして、旦那さんと些細なことで口論になったのだが、その後、この事件を話し、「あなただったらどうする?」と聞いてみた。 すると「運転手に言って雑巾貸してもらう」らしい。おっさんは無視。私には気にしんときなー、と言ってくれたので、ホ。 次に在仏の長い日本人女性に聞いたら「欧州の修業が足らないおっさんかもね。」彼女もお店の中で油をこぼして拭いた事があるそう。フランス人だったら後片付けなんてしないわよーと言われた。 殴られんですんで良かったね、と言われたから、もし殴られたら倍返しにすると返答。 今日はフランス人でイスラム教徒の女の友人と会う予定だったから、彼女にもこの話しをする。 彼女は「イスラム教徒だからって何?ここはフランスでワインを飲む人も沢山いるのよ!」そして「そう言うときは、こういうのよ!わざとやってたんじゃないでしょ!黙ってなさいよ!!!」 うん、これがフランス式だわ。その後、公的機関でアホな人に絡まれた時の話を沢山してくれて、爆笑した。 今度は絶対こう言うことにしよう。でも常にティッシュを2袋以上持っていよう。(ここら辺は日本人) 自分のポスターに囲まれて撮影!
アジア人は優しくて従順で、慎み深いという印象があるせいか、言い返せないと思ってる人が多い。 でもこの私が、それを払拭していく!位の気持ちでいかないと、やられっぱなしで自信を失っていく、という国に住んでいる事がよくわかった。 今日会った友人は黒人だし、差別されたりもあると言っていたから、フランス人とは付き合わないと言ってアジア人や他の国としか付き合ってないけど、彼女は何を言われてもひるまず、胸をすくような対応をしているんだろうな。
先週末、イベントでベビーカステラを実演販売。大人気!
でも今日はスーパーで少し良い事があった。 障碍者優先のレジに並んでいたら、車椅子の男性が来られたから順番を譲ると、私の前の上品で素敵な老婦人も、その方に順番を譲った。 まあそれはそういうレジなんだけど(日本にはあったっけ?)その方は腕が自由に使えないようだったけど、お惣菜を2パック抱えていて、私も老婦人も少しハラハラして見守っていた。 すると彼は持っていたお惣菜を1パック落としたから、私はすぐに拾ってレジに置いて、まだ彼の腕にあるもう一つのお惣菜も、ちょっと失礼と言って、レジに置いた。もし彼がそのレジの番になったら、レジ係が彼の持っている物を受け取って、レジをするという助けをする仕組みなんだろうけど、落ちているのだけレジに置くのも変だと思ったからそうした。 彼はありがとうと言って、私はどういたしましてと答えた。 レジの順番が来て、お会計をどうするのだろうと思っていたら、レジの人は彼が持っている財布から直接お金を抜いて、会計をしていた。 前にいた老婦人が振り返って 「あれは信頼がないと出来ないわね。」 と私に言ったから「本当に」と言った。 レジの人は親切に鞄にお惣菜を入れて、彼に渡してあげた。普通、フランスは鞄は有料だけど、こういう場合はあげたりするんだなあと思って嬉しくなった。
障害を持っている人も、フランスではすごく堂々としている。それは見ているととても良いなあ!と思える事。前にバスがちょっとずれた所で止まったら、松葉杖の男性が 「こんなん降りれるか!」 と言っていたのを見て、口笛を吹きたくなったよ。 あとベビーカーも大きいのでガンガン歩いているし、エレベーターで、他の人が乗ろうとしたら、ベビーカーのお母さんが「ちょっと!こっちが先でしょう!」と言ったのを聞いたこともあった。 車椅子の日本人の友人がこっちに来た時、皆すごい優しくて感動したと言っていたし。
電車でベビーカーで居心地悪くて、少子化のジャポン、何でそうなったんだろう。
by baillement27
| 2017-05-24 08:26
| ぽろり
ささいなことかもしれないけれども
by バイエ
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